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 口絵中禅寺薬師堂(重要文化財)

中禅寺薬師堂は、長野県で最古の建築であるばかりでなく、中部日本(いわゆる「中部地方」・「関東地方」をさす)で最も古い建築と言われる、貴重な存在である。
塩田平の名山として知られる独鈷山の北麓、のしかかるような岩稜の下に建てられたその堂は、すぐそばの古社塩野神社の鬱蒼とした森や、その南に深く入りこむ塩野川の幽谷と相まって、神秘的ともいえる一境域をつくり出している。おそらくは、大昔から塩田平の水源であり、霊山でもあった独鈷山の信仰がかもし出した霊域であったと思われる。
塩野神社は、すでに一千年前に朝廷の記録(『延喜式』)に載せられたほどの名社だが、この薬師堂も、少くとも平安時代末期か、鎌倉時代初期に建立されたと考証される古堂である。
およそ八百年前後の齢をもつものと考えてよいわけだ。
もちろん建物がそのまま原形を保っているわけではない。各所に残っていた建築様式や建築材によって、このことが学問的に証明されたので、国家の力によって大改修が加えられ、このような古雅な建物に復原されたのである。
では、その貴重な”古さ”というのは、この建築のどんなところに見られるのだろうか。
たとえば、このお堂のつくり方は「宝形造り」といって屋根のかたちが東西南北どちらからみても同じにみえる。内部には四本の柱(四天柱という)があって、その中に本尊が安置されている。
このような造り方は、約一千年の昔(平安時代後期)、盛んにつくられたいわゆる”阿弥陀堂様式”という方式で、この堂などはその典型的なものといえる。
このほかにもたとえば「舟肘木」のかたち、柱の「大面とり」、扉のつけ方など、この建物の古さを物語るものはたくさんあるが、それらについては解説の部(七九頁以下)に詳しく述べてある。
静寂な境地の中に、ひっそりとたたずむこの端麗・重厚な建物は、それだけで襟を正させるに充分であるが、さらに扉が開かれ、中の薬師如来を拝するとき、われわれの心は、おのづからはるかかなたの信仰の世界に導かれてゆく。
古代から、この堂の前に立って仏を拝してきた、われわれの祖先の思いも、おそらく同じであったことだろう。
この写真は中禅寺の好意により、とくに堂内に献灯供花して撮影したものである。
 
撮影日:
地区/自治会: 15西塩田/西前山
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 3口絵
登録されているキーワード: 神社 史跡 観光 
 
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