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 解説安楽寺開山・二世頂相(重要文化財)

安楽寺本堂のうしろに、「伝芳堂」というお堂があって、その中に在すのが、この二人のお坊さんの像である。
右は、この寺の開山樵谷惟仙(しょうこくいせん)和尚、左は二世の幼牛恵仁(ようぎゅうえにん)和尚。何れもこの寺にとって最も大切な人物であることは、カラー写真のところで説明した。
このような像を「頂相(ちんそう)」という。禅宗では師僧が、その弟子が修行を終わって自分の手許を離れるとき与えたものが多く、また高徳の僧の寿像(生前の像)としてもつくられている。それは彫刻の場合もあれば、絵画による肖像の場合もある。
頂相彫刻には、この両像のように、袈裟をかけ、「如意」や「払子(ほっす)」をもって、「曲ろく」(いす)にすわったものが多い。鎌倉時代の写実的な造形思潮とよくとけ合い、生けるような容相をそなえている彫刻が、各所に見出されている。
この安楽寺の頂相も、その名彫刻の一つとされ、先年まで東京博物館に展示されていた。
両像の背部の内側に、次の写真のような墨書があり、これによって、惟仙和尚の頂相は嘉暦4年(1329)7月、恵仁和尚のそれは、同年9月の作と知られる。
頂相彫刻としては早い時期のものである点も貴重な存在である。
鎌倉幕府滅亡より4年前であるから、おそらく塩田北条氏の援助も厚かったころと思われ、あるいは、恵仁和尚の在世中、塔の建立とともに制作されたものではないかと推測されている。
 
撮影日:
地区/自治会: 16別所温泉/院内
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 4解説
登録されているキーワード: 人物 神社 観光 その他の文化
 
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