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 解説安楽寺寺と塔

塔というものは、もともと信仰の中心であった。だから、仏教の伝来したころの古い寺は、たとえば飛鳥寺とか四天王寺など、みな正面に塔がある。(飛鳥寺はのこっていないが、発掘の結果は、そうなっていた。)
ところがだんだん時代がたつにつれて、塔が正面でなくなる。(たとえば法隆寺など正面に塔と金堂が並んでいる。)そして次第に、金堂が中心の位置を占め、塔は金堂に対して、両側におかれたり、(薬師寺など)一方の側に一つだけおかれたりし(各国国分寺など)、しまいには、伽藍のかこいの外にその位置をきめられる。そして最終的には、完全に本堂などと切りはなしたところに配置されてくる。つまり信仰の中心から次第に脇役的な存在となっていくことがわかる。
この安楽寺の塔も、中世のものだから本堂からかなりはなれた山腹に建てられている。本堂の左側を奥へ進むと見上げるようなところに、八角塔の聳えているのが望まれる。昼なお暗いような杉木立の中を、この塔を仰ぎながら上っていくとき、たとえ伽藍配置の上では中心的な場所ではなくても、自然に厳粛な、そして崇高なものへのあこがれを抱かせるようなところに、この塔がある。そういう意味では、やはり信仰の対象としての役割りを果していると考えてもよいであろう。同じことが、大法寺の塔にも、前山寺の塔にもいえる。そしてこの三つの塔が、誰からも尊ばれているのは、そんな塔の位置に関係があるのであろう。
元来塔というものは、寺院の中枢的な意をもったものであったことは、前に述べた通りだが、禅宗のような新しい宗派の寺院にも塔は建てられた。(それは安楽寺のように大体は山腹に位置したようだ。)しかし、いまはほとんど失われてしまっていて、全国の禅宗寺院に塔の残っているのは、この安楽寺のほかわずかしかない。その意味でもこの塔は貴重な存在なのである。
 
撮影日:
地区/自治会: 16別所温泉/院内
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 4解説
登録されているキーワード: 神社 史跡 観光 
 
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