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 解説中禅寺薬師如来仏の座

中禅寺薬師堂の内部、四天柱にかこまれた所が、薬師如来が在す場所である。
”仏様の居間”ともいうべきところだから、ここだけは天井が「格天井」といって、格子を組んだ特別のつくり方をしてある。四天柱の外側は、屋根裏に垂木がそのまま見えている(これを「化粧屋根裏」といい、古い形式である。)のとくらべ、さすがに貴重な扱いをしていることがわかる。
仏様はりっぱな台座の上にのっていられるが、その台座は、仏壇の上にのっている。
仏壇は「須弥壇」ともいい、古くは石で造って、土間の上においたものだが、建物に床がはられるようになると、その床の上に、木で造ったこのような仏壇がつくられるようになった。
壇の正面と横面に、二つずつ、お椀のような形が彫ってあるのが見られる。これを「格狭間」というが、このかたちをみると大体建築の時代がわかるのである。この薬師堂の「格狭間」は、かたちからいうと、平安時代よりややおくれるものと推定されている。
なお仏体のうしろの板壁は「来迎壁」という。人間が臨終のとき、阿弥陀様たちが迎えに来てくれて、極楽へつれて行って下さることを”来迎”という。この壁は、その”来迎”が現われる壁という意味である。この来迎壁に極楽浄土の絵など画いた古建築がよくあるのは、そうした思想をあらわしている。
この中禅寺の「来迎壁」は、板がかわっているので、何も画かれてはいない。しかしもとは、極楽の絵など画いてあったかも知れない。ともかく単なる板壁ではないということを頭におく必要があるだろう。
 
撮影日:
地区/自治会: 15西塩田/西前山
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 4解説
登録されているキーワード: 神社 その他の文化 観光 
 
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