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 解説中禅寺薬師如来(重要文化財)

中禅寺薬師堂の本尊として有名な仏像である。全高97.7センチメートルの坐像で、右手は臂を曲げて掌を前にするかたちをとり、左手は掌を上にして膝の上においている。(この右手のかたちを”施無畏の印”、左手のかたちを”与願の印”という)
その左手の掌の上に薬壷(くすりを入れるつぼ)をのせているので、薬師如来であることがわかる。
薬師如来は、衆生を病気の苦しみから救ってくれる仏として、古来わが国の民衆からあつく信仰されているが、この仏像はいかにもそうした仏にふさわしい慈悲円満なすがたをもっている。
まるい両肩から流れるように下る衣のようす、膝や腰をおおってゆるやかな波をうつ裾、そのどれもが、やわらかく、円やかで美しい。
伏目がちで、ふっくらとしたやさしい顔は、広い胸、どっしりした下半身とともに、病に悩む人人を、あたたかく抱きかかえてくれるように見える。
このようなかたちの仏像を、ふつう「定朝様」と呼ぶ。平安時代の後期、造仏の巨匠として偉大な業績を残した定朝の流儀を追う制作様式だからである。この「定朝様」は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、盛んに行われたが、この中禅寺の仏像は、その典型の一つであり、大作とは言えないけれど、よく整った美しい作品として、全国的にも注目されている。
 
撮影日:
地区/自治会: 15西塩田/西前山
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 4解説
登録されているキーワード: 神社 その他の文化 観光 
 
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