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 解説大法寺十一面観音立像(重要文化財)

観音様は、ほんとうは観世音菩薩というのが正しい。
仏様には、阿弥陀如来・薬師如来のように”如来”といわれる仏、観音菩薩・地蔵菩薩のように”菩薩”といわれる仏、不動明王のように”明王”といわれる仏などいろいろある。
”如来”は、最高の悟りの境地に達した仏、”菩薩”は、これから”如来”になろうとする仏、”明王”は仏法を守護する仏−−といわれている。
観音様はこの菩薩の中で、もっとも古くから、もっとも多くの人人の信仰をうけて来た仏様だ。もともとこの仏の根本的な性格は、あらゆる災難に対して人間を守ってくれるという点にある。(これから「厄除観音」ということばが生れた。)だから、あらゆる階層の人が、あらゆる願いをこめて熱心に祈りをささげてきた。
そこで観音様自体もいろいろに姿をかえて人間の願いをきいてくれることとなった。はじめは「聖観音」といって、お顔が一つしかなかったが、そのうち、「十一面観音」といって11ものお顔をもつ観音様ができてきた。また手も両手の2本がふつうだが、そのうち千本も手のある観音様が生れてきた。これを「千手観音」といっている。またお姿によって、白衣観音とか楊柳観音とか、たくさんのわけ方がある。
要するに人間のさまざまな願いに応じて、聞いて下さるお顔も、救って下さるお手も、お姿も、あらゆる変り方をして、受けて下さるのである。
この大法寺の観音様は十一面観音である。
十一面観音は奈良時代から非常に信仰された仏様だが、平安時代に入って天台宗の教えと共に、全国にひろがったといわれる。そういえば、大法寺は天台宗の寺で、東山道に面していたから、早くから十一面観音の信仰の中心地でもあったのだろう。
まずお顔だが、これについては次頁で詳説する。
次に首のところにある三つのくびれを「三道」といい、腕についたかざりを「臂釧」という。左手にもつ瓶は「宝瓶」で蓮の花が飾られている。
右肩から左脇にかかる帯のような布が「条帛」、膝の前を横ぎる2本の帯のようなものは、実は肩からかかっている細長い布で、「天衣」とよばれる。「天衣」の下に「裳」(着物)のひだが見える。
姿体がいくぶん窮屈に思われるのは、”一木造り”といって一本の木から作り出していることからくるやむを得ない制約と考えねばならない。
 
撮影日:
地区/自治会: 99上田市外/
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 4解説
登録されているキーワード: 神社 その他の文化 観光 
 
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