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 解説大法寺三重塔内部

大法寺三重塔の内部である。
中央からやや後方に、2本の柱(これを「来迎柱」という)を立て、その前に仏壇を設け、大日如来を安置してある。
仏壇は、前面・側面の勾欄(手すり)の下に、独特のかたちをした図形を切りぬいて、飾りとしている。これを「刳形」というが、このかたちは「禅宗様」独特のものだ。純「和様」の塔の内部に、こうした「禅宗様」の入っているのは注意すべきことに思われる。
仏体の背後にある板壁は「来迎壁」という。
その壁のふちとなっている部分に、華麗な文様が画かれているのがわかる。さらに注意深くみると、柱にも、「長押」にも、いろいろな絵文のあとが歴然と残っている。
要するにこの内部は、天井を除いては一面に美しい彩色の装飾が施されていたことが想像されるのである。
また、天井は二重に折り上げたもので、1mぐらいの間をおいて大きい格子を組み、その中に細い木で、細い格子を組んでいる。華やかながら落ちついた階調はみごとというより他はない。
またこの天井の周囲は、「支輪」(内側に曲った垂木のようなものが並んでいる所)「横連子」(横に直線の小材を並べたところ)など、たくみに配置し、格調の高い構造美を示している。
太田博太郎博士は、この三重塔内部の天井について、「曲線はほとんど使わず、直線だけによって、また彩色によらず、光と影の調子によって美しさを出したこのような小組格天井は、平安時代に誕生した、もっとも日本的なデザインということができる」と言われている。
 
撮影日:
地区/自治会: 99上田市外/
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 4解説
登録されているキーワード: 神社 史跡 観光 
 
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