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 解説生島足島神社″お篭り祭″と諏訪神

生島足島神社本殿の前に二つの橋がかけられている。一つは一般の参詣者の渡る橋、一つは「神橋」と名づけられている朱塗りの美しい橋である。
この「神橋」という名は、神様が渡られる橋だからつけられたのだが、それではどういう神様が渡られるのかというと、知る人は案外少ないようだ。この橋を渡る神様は諏訪神なのである。
試みに、この神橋の入口に立って北の方をふりかえると、50mばかり先に、塀にかこまれたりっぱなお宮があるのに気づかれるだろう。(もっともその間に舞楽殿があるので、気をつけなければわからない。)これが、生島足島神社の摂社(本社に付属する縁の深い神社。官国幣社に限ってこの称を用いられた。)諏訪社である。
生島足島神社には、有名な「お籠り祭」という神事がある。それは毎年11月3日の夜、まずこの諏訪神が、生島足島神社の籠殿へ移られる。これを「御遷り神事」という。(もちろん神官が奉仕する。)それから毎夜御飯をたき、諏訪神が自ら生島足島神に献飯される儀式が翌年3月3日までつづく。(もっとも現在は、7日ごと、4月28日まで26回奉仕に改められている)これが「お籠り祭」である。
この祭事は太古から伝えられているもので、諏訪神が天照大神から信濃統治の命をうけて、この地にやって来たとき、すでにこの地に有力な生島・足島神がいた。そこで諏訪神は自ら長期にわたり御供を献じ、はじめて了承を得て諏訪に向かったことに由来するといわれている。
生島・足島神は巻頭写真でも説明したように、もともと宮中で祭られている神であるから、地方神としての諏訪神がこの神に対して奉斎の誠をいたすのは、当然であったかも知れない。信濃の国造(現代の県知事に当る)から出た金刺氏は、後に諏訪下社の大祝(神が人間として現れたものといわれる)となっていることを思い合わせてみる必要もあろう。
写真は摂社諏訪社(上田市指定文化財)。
 
撮影日:
地区/自治会: 13東塩田/下之郷
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 4解説
登録されているキーワード: 神社 史跡 観光 祭り
 
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