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 口絵保野の祇園祭(市指定無形文化財)

上田市保野区に昔から伝わる祇園祭は、400年の伝統をもつという。
もともと、7月22日が例祭であったが、第二次大戦後は、子供たちの祭典参加のことを考慮して、この日に近い土・日曜に行われるのが例となった。
しかし、厳密には、7月1日の「天王おろし」=しめ縄を区内各所にはる行事=からはじまるので、この日から祭がはじまっていると言うべきだろう。
祭典前日(宵祭)には、区民総出で百余人の行列を編成し、氏神塩野神社に鎮座する御神体を、区のほぼ中ほどにある「市神」(仮宮)に移座する。祭典当日は、午後区の最下方の新田地区から行列をはじめ、「市神」で御神体を迎え入れ、塩野神社に帰還するのである。途中所所で神輿(神様の輿)を民衆がくぐる習わしがある。これを「天王くぐり」といい、これをすれば、無病息災の幸福があるという。
なお、宵祭に神輿が「市神」に到着した後と、本祭に神輿が神社に到着した後、「獅子舞」と「ささら踊り」が神前で行われ、さらに宵祭、本祭を通して「祇園囃」という囃(笛・太鼓・三味線等による)が区内を練り歩く。
以上のような行列・獅子舞・ささら踊り・囃等がよく古式をとどめているので、上田市無形文化財として指定された。
なお、この「獅子舞」や「ささら踊り」は、江戸時代、保野区の塩吹池修築工事等に出動していることが、記録に残っているので、大きな土木工事の地固め等には必須のものであったらしい。上田城の築造に出動したとの伝承があるのも、おそらく理由あってのことであろう。
塩田平およびその周辺には、各地にこのような「獅子舞」や「ささら踊り」があったが、その大部分が衰えてしまったなかに、ほぼ完全にその古式を保ちつづけている地区民衆の努力は、高く評価されねばならない。
荘重な行列や獅子舞いは、村人のこの心意気によって、祭をさらに盛り上げ、塩田平の一角にさわやかな空気をもたらしている。
 
撮影日:
地区/自治会: 14中塩田/保野
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 3口絵
登録されているキーワード: 祭り 観光  
 
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