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 西脇の巻

一茶が滞在した向源寺
北国街道から分かれて、松本へ向かう保福寺道は西脇の新町が起点で、町角に「北向観音世音道」と刻まれた万延元年(一八六〇)の道標が立っています。
別所温泉の北向観音へ通じるという道案内ですが、それは浦野から青木村を経て保福寺峠を越え、松本へ行く保福寺道(松本街道)の始まりを示す道標でもあります。
このように西脇は江戸時代の交通の要所で、宝永三年(一七〇六)には村の人口が約六百五十人になり、大工、塗師、屋根ふき、絵師、紺屋、桶屋、鍛冶、綿打ち、木挽、などの職人が三十七人も住んでいました。
矢出沢川に架かる向源寺橋は、最近木造ではなくなりましたが、その面影をとどめるデザインが印象的で、橋の上から眺める川のほとりの風景にも、昔の風情がしのばれます。
向源寺は俳人小林一茶が滞在した寺としても知られています。
ちる花や称名うなる寺の犬
「向源寺夕暮」と題した一茶の句です。
ちる花は桜。称名は念仏のこと。
桜の散る春の夕暮れ、本堂からの称名の声にあわせて、寺の犬も念仏をとなえるかのように静かにうなっている、というのです。一茶らしい句ではないでしょうか。江戸時代の西脇村も目に浮かぶような感じがします。
西脇も上田築城の際、太郎山南山麓の村が城下囲いとして現在地に移されたのでした。
 
撮影日: 平成3年11月21日
地区/自治会: 05西部/西脇
シリーズ: 上田ところどころ 地域
登録されているキーワード: その他の文化 その他の交通  
 
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