塩田平の文化と歴史

● 安楽寺 八角塔内部


 安楽寺八角塔は、かんたんに拝見することは許されない。「国宝」という重要な建物だからだ。以下はとくに住職の御好意によって撮影を許された写真である。
 この塔の第一層の内部は、中央は8本の柱で囲まれた一段高い「内陣」となっていて、そのまん中に仏壇がおかれ、大日如来が坐っておられる。(禅宗の本尊は釈迦如来であるが、ここに何故大日如来が居られるかは、まだわかっていない。)
 この「内陣」をとりまくようにして「外陣」がある。幅1.8mくらいのたたきの土間になっていて、中心仏をまわりながら拝むことができる。
 めずらしいのは、この第一層の天井だ。まず周囲の8本の柱の上から二手先の組物を出して、天井をはってある。しかし、一面に板をはってしまわず、もう一段折り上げて、その上に八角の天井をおいている。だから下からみると二重の八角天井となっている。
 その折上げた部分の八角の隅に、それぞれ柱があり、それが途中で切ってあるので、8本の短い柱がぶら下っているようにみえる。こんな天井は、日本では他に例を見ないという。太田博太郎博士は、「おそらく8本のほそい柱があったのを改造したか、あるいは図か何かで見た工匠がこんな形につくったのだろう」と言われる。
 何れにしても、折り上げた部分は、小規模ながら三手先の組みものが、整然と並んでいて、内陣に一しお華やかな、そして典雅な趣きを添えていることを見逃すことができない。

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