塩田平の文化と歴史

● 安楽寺 礎盤とその入れかえ


 「礎盤」というのは、柱の下にあるそろばん玉のようなものである。柱の高さを揃えるのには、これによって調節すれば簡単にいく。中国から学んだ工夫で、「禅宗様」の建築の特徴の一つだ。
 だが建物の一ばん下にあるから、どうしても腐蝕することが多い。安楽寺八角塔の「礎盤」も長い間にはとりかえが行われたことだろうが、先年来内陣の礎盤がいくつも腐蝕しているのがみつかって、この程−昭和58年9月−それをとりかえる作業が行われた。まず塔の下部に数10本の鉄材を入れて、しっかりかため、たくさんのジャッキで塔全体をしずかにもち上げる。柱ごと塔が適当にもち上ったところで、腐蝕した礎盤を、新しく寸法に合わせてつくっておいた礎盤と入れかえる−という大作業であった。
 塔とすればここに生れて六百数十年間、めったに出会ったことのない経験であったろうし、ましてわれわれ人間には一生に一度も拝見できない機会であった。写真は八角塔「礎盤」の一つ。

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