塩田平の文化と歴史

● 常楽寺 常楽寺の歴史


 常楽寺は、別所温泉にある天台宗の古刹で、金剛山照明院常楽寺と称し、本尊は妙観察知如来。常楽・安楽・長楽のいわゆる「別所三楽寺」の一つである。寺伝によると草創は天長3年(826)慈覚大師によるもので、鎌倉期に塩田北条氏や海野氏によって再興されたと伝える。有名な別所北向観音の別当寺であり、天台宗の別格本山となっている。
 鎌倉時代、この地方は「信州の学海」と呼ばれ、信濃における宗教・学術の中心地であったことは、すでに述べたが、この常楽寺なども、その主要な道場であったと想定される。現に隣寺安楽寺の開山樵谷惟仙も、年齢16歳に至るまで、この常楽寺で天台の教えを学んだということが、文禄3年の安楽寺の「塔銘」(写)に記されている。
 また正応5年(1292)といえば、後述の北条義政(塩田北条氏の祖)が塩田へ入ってから20年ばかり後のことだが、この年相模金沢称名寺の僧が、この常楽寺に於いて「十不二門心解」という経を写していることが明らかになっているし(『金沢文庫』)、下って享徳元年(1452)には、天祐なる僧がこの寺に於いて「如法経」2部を書写し、「信濃国霊験の奇は、常楽寺を以て無雙となす」と付記している。何れもこの寺が鎌倉以降教学道場の中心的存在であったことを推察させる。
 なお境内にある「常楽寺美術館」は、全国から収集された数百の古瓦をはじめ、いくつかの重要美術品を収蔵するので名高い。

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