塩田平の文化と歴史

● 中禅寺 薬師如来 仏のかたち


 頭の頂上は、丸くふくれている。これを「肉髻部」という。その下部が「地髪部」である。これらのところ全体がつぶつぶしたもので覆われている。これを「螺髪」という。この薬師様の「螺髪」は丸く、こまかく、きれいにそろって、たいへん美しい。
 また両眼は、おだやかに半眼にひらき、鼻や、頬の線もおとなしい円やかな曲線を画く。耳をみても耳たぶを強くはらず(ひものようになっているので「ひも耳」というが)いかにも和やかである。
 横からみた像も、後から見た像も、まず印象的なのは肩の円い線、ふくよかな胴の張り、おおらかな衣のひだの流れなどで、中央の「定朝様」をよくこなした、洗練された仏師の手になることを思わせるに充分だ。
 これらのことから、結局この仏体は「塩田庄」が最勝光院領として成立した藤原末期ごろ、中央から直接入ってきた工人が、中央の流れを忠実に守って造立した作品と考えられるのである。

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